ロベカルやカシージャスに聞いた「日本がベスト8の壁を越える秘訣」 (3ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

「少なくとも我々は、弱小チームに負けたのではなかったわけだ。10人になったというのもあったが、日本のオフェンスは本当に強かった」

 かつてW杯の舞台で活躍したレジェンドたちからの賞賛の声も、次々に聞こえてくる。日本対ベルギー戦を、私はBBCラジオの中継のため、元イングランド代表のテリー・ブッチャーと一緒に観戦していたが、彼は放送中、何度もこうつぶやいていた。

「なんてこった。日本はベルギーを食っちまった」

 ブッチャーはこの試合、ベルギーに期待していたという。逸材ぞろいのベルギーのプレーを存分に堪能するつもりだった。しかし試合が進むにつれ、彼の考えは完全に変わってしまった。いや、たぶん彼だけではないだろう。西野ジャパンは世界中の人が持つ日本サッカーのイメージをまったく変えてしまった。ブッチャーは試合を振り返って言う。

「ベルギーに期待していたファインプレーを見せてくれたのは、日本のほうだった。日本はもう、今までの日本とは違う。パスワークはすばらしく、日本がこのプレーを続けるならベルギーに勝ち目はないとさえ思った。とくに日本の2ゴール目は普通のゴールじゃなかった。サッカーを知りぬいている者だけができるゴールだ。ベルギーの選手は完全に置き去りにされていた。本当にすばらしい」

 一方、ブラジルのレジェンド、ロベルト・カルロスは、日本の活躍は何も不思議ではなかったとコメントしている。

「多くの日本人選手がヨーロッパのビッグチームでプレーしている。あとは代表チームでその力を見せるだけだ。ベルギーとの試合は、絶対PK戦にまでもつれ込み、最後には日本が勝利すると思っていた。ファンタスティックという言葉がふさわしいチームだっただけに、敗退は残念だった」

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