ドイツの轍を踏むな。日本がポーランド戦で先発を変更すべき理由

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 西野朗監督とGK川島永嗣が出席した日本代表の公式会見。それがスタートした17時(現地時間)とほぼ同時刻にキックオフしたドイツvs.韓国戦で信じられない結末が待っていた。

 0−0で迎えたアディショナルタイムに韓国が2点を決め、アップセットを起こしたのだ。これで前回王者はグループ最下位で大会から姿を消すことに――。

西野監督の川島永嗣に対する信頼は厚いようだが......西野監督の川島永嗣に対する信頼は厚いようだが...... その衝撃は、日本がコロンビアを下した以上のものだった。

 公式練習を終えたばかりの日本の選手たちも、ゲーム終盤の模様をロッカールームのテレビで見ていたようだ。

 メディア対応が割り当てられた選手のなかで最初にミックスゾーンにやってきた植田直通は、「明日は我が身だな、と思いました」と語った。

「自分たちも(決勝トーナメント進出が)決まっているわけではないし、油断していたら同じようになると。気を引き締めて」

 これはグループ突破に王手をかけていたドイツと日本を、2連敗で敗退濃厚だった韓国とすでに敗退が決まっているポーランドを重ね合わせた見方。一方、韓国と日本を、ドイツとポーランドを重ね合わせたのは、昌子源である。

「アジア勢がヨーロッパに勝った。僕らも今回、同じシチュエーションなわけで、アジアにとってはすごくいいこと。韓国とは立場が違いますけど、僕らもヨーロッパ勢を下して、次のラウンドに上りたいと思います」

 いずれにしても、アジアのライバルが世界王者を倒した一戦が、さまざまな意味で選手たちの刺激になったのは間違いない。

 たしかにポーランドは2連敗を喫し、グループステージ敗退が決まっているが、それが日本の勝利を約束するものではない。それは、前日、敗退が決まっていたモロッコがスペインを追い詰めて一時は逆転、最終的にドローに終わった結果からもよくわかる。

 敗退が決まったチームがプレッシャーから開放され、最終戦でベストパフォーマンスを見せることは、よくある話なのだ。香川真司も気を引き締めている。

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