西野ジャパン運命の第3戦。ポーランド通の代表MF・加藤恒平に聞け (4ページ目)

  • 栗田シメイ●文 text by Kurita Simei

――現在のポーランド代表をどう見ていますか?

「各ポジションに世界のトップクラブ、リーグでプレーしている選手たちがいて、チームとしての総合力が高い。W杯の予選で得点を量産していることを考えても、簡単な相手ではないでしょう。中でも、ロベルト・レバンドフスキという選手は誰でも知っており、彼にボールが入れば何かが起きる。

 ただ、日本にもトップレベルの選手がいて、(吉田)麻也くんもプレミアで高いレベルのFWと戦っている経験がある。レバンドフスキを単体で止めるというよりも、チームとして守れれば問題ないかと思いますね。最も有効なのは、彼にボールを入れる前の出し手を潰しにいくこと。そうは言っても、彼以外にも能力が高い選手が何人かいるので、誰を、どこを、というのを絞りにくいチームだと思います」

――ポーランドは組織力にも定評があるチームです。ずばり、どういう戦い方が日本にとって効果的と考えますか?

「組織力はポーランドの強みだと思います。ただ、そこまでボールを保持するチームではありません。自分たちがボールを保持して攻撃するというよりは、守備でブロックを作り、比較的シンプルに前線にあずけてくる。なので、日本代表がボールを持つ時間はある程度出てくるでしょう。そのなかで、いかに強固なブロックを崩せるかがカギになる。守備面では攻守の切り替えを早くし、ポーランドの強烈なカウンターをどう防ぐか。この2つがポイントになるのではないでしょうか」

――最後に、仮にポーランドの友人から日本代表の強み、要注意選手を聞かれたらどう答えますか?

「個人名を挙げるのは難しいですね。"日本らしさ"と言われて、パッと答えられる人は、今どれくらいいるんでしょうね? ひと昔前なら、『みんながハードワークできる』と答えていましたが、今はどの国、どのチームもそれを最低限やる前提でサッカーが成り立っている。どんなスター選手でもハードワークしますし、それが世界のスタンダードになった。

 一方で、昔は経験値という点で世界と差があったのが、今は日本でもヨーロッパのトップレベルのリーグでやっている選手が増え、経験を積んだ。その経験値を活かして、チームとしていかに守るかを大切に、ポーランド戦に臨んでほしいです」

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