なでしこ、W杯出場への初戦を4-0勝利も浮かない表情なのはなぜ? (3ページ目)
「シュートを打ちたい!でもコースがない。あとは(相手が)引っかけてくれてもいい」(岩渕)と、ゴール前でピッチを横断する形になった。「ボールを呼ぶ声も聞こえていたけど、スピードが上がり過ぎていて出せなかった。なんとしてもゴールを狙いたかった」と振り返った。
ピッチ環境も万全ではなかった。最初の違和感は、それぞれのファーストタッチのブレだった。次に中途半端なパススピードが目につき始め、首を傾げた。それらは芝の長さに影響されていたようで、試合前々日に行なわれた公式練習から芝はカットされていたが、均等ではなかった。猶本も「うねっていて、FKのときもボールが浮いていた」と言う。
十分な散水もあったため、日本に有利なピッチかと思いきや、そうでもなかったようだ。加えて湿度25%という数字は尋常でない喉の渇きに直結する。砂埃を含んだ空気が選手たちを苦しめ、頻繁に給水ボトルに手を伸ばしていた。
厳しい環境下で初戦を完封勝利したにもかかわらず、選手たちが手放しで喜べないのは決勝トーナメント進出、およびワールドカップ出場権に得失点差が直結してくる可能性が十分にあるからだ。
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