言い訳ばかりのハリルと訣別のとき。そのサッカーは誰も幸せにしない (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 試合後の会見で韓国に対して、これでもかと言わんばかりに称賛の言葉を贈ったハリルホジッチ。言い訳の材料を考え抜いた末に辿り着いた敗因なのだろうが、日本と韓国との力関係は、ハリルホジッチより数段、日本人の方が熟知している。それは悪くても4対6。けっして3対7、2対8の関係にはない。

 敗因を選手の気合い不足にする人も、相変わらずいるのかもしれない。しかし、A代表のボーダーライン上にいる選手が、ここで頑張ろうとしないはずはない。ほとんどの選手が、この韓国戦に相当な覚悟で臨んでいたに決まっている。

 これは言い逃れの材料が一切、見出せない敗戦なのだ。両国の力関係が、実際以上に大きく開いて見えた理由が、ピッチ上に明確に暴露された試合。そのサッカーを主導してきたハリルホジッチの責任は、逃れられないものになっている。更迭の時期に、これほど相応しい瞬間はない。

 その問題点について、これまでさんざん述べてきたつもりだが、100%確定的な場面に遭遇しなかったため、あくまでも個人的な意見というスタイルを取っていた。しかし、化けの皮が完全に剥がれたいま、なお敗因をハリルホジッチ采配以外に見出そうとする人がいるなら、もはやこれまでだ。どうぞご自由にと、説得を断念したくなる。

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