スペインの知将がサウジ戦を叱る。
「日本は中盤の距離感が悪すぎた」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 そして日本は62分に失点を喫する。左右にパスを振られ、取りどころを見つけられない。中のポジションにズレが出て、『PASILLO INTERIOR』にボールを入れられる。そこからのパスでセンターバックの裏を取られ、強烈にニアサイドに叩き込まれた。

「日本はサウジに横へ何度か振られ、スペースを作られてしまった。そこで縦に入れられたボールに対処できず、シューターには完全にマークを振り切られていた。GKはノーチャンスだったのではないか。

 日本はその後、速い攻撃を試みたが、頭を抱えるほど精度が悪かった。のらりくらりとボールを回すサウジのポゼッションに手を焼く有様で、むしろ幾度かピンチを招いていた。ハリルホジッチはクーリングブレイク(給水タイム)での指示でチームを改善させていたが、選手交代の効果は出せていない」

 そしてエチャリはこの試合の日本をこう総括している。

「やはり長谷部の"不在の在"が顕著だった。モチベーションの違いはあったものの(日本はすでにW杯出場を決めてテスト的な意味合いが強く、サウジは勝てばW杯出場が決まる状況だった)、チームとしての戦いができていない。中盤でのコンビネーションによってチーム戦術は成立するものだが、いかんせん距離感が悪すぎた。必然的に守備も破綻。ワールドカップに向け、日本の課題だろう」
(つづく)

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