櫨まどかの活躍だけが光明。「これがなでしこ!」という攻撃の軸を作れ

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 なでしこジャパンがブラジル、オーストラリア、アメリカと対戦したトーナメント・オブ・ネイションズが3日(日本時間4日)に全日程を終了し、日本は1分2敗の3位に終わった。

29歳で、なでしこ初招集ながらも経験から来る落ち着きと柔軟な対応力を見せた櫨まどか29歳で、なでしこ初招集ながらも経験から来る落ち着きと柔軟な対応力を見せた櫨まどか 最終戦となったアメリカ戦の前に行なわれた試合で、オーストラリアが6-1でブラジルを圧勝し、アメリカはすでに優勝を逃していたが2万3千人を超える観衆の前で、そのモチベーションが冷めることは一切なかった。

 立ち上がり15分の猛攻――アメリカと対峙するとき、日本が最初に越えなければならない壁である。フルパワーで先制攻撃を仕掛けてくるアメリカのスタイルは今回も健在していた。アメリカ遠征の集大成とすべく、ベストメンバーで臨んだ日本だったが、抑え切ることができなかった。

 それもそのはず、ピッチに立つ半数以上がアメリカとは初対戦となる。一糸乱れぬ統一感を持てというのは無理な話。それでも何とか食らいついていたが、12分、ロングフィードを受けたクリスティン・プレスが中へ送るとメーガン・ラピノーが鮫島彩(INAC神戸)をフェイントで振り切り先制ゴールを奪われた。

 とはいえ、失点は折り込み済みのところでもあった。日本も阪口夢穂(日テレ・ベレーザ)から緩急をつけた縦パスが配給され、34分には押し出したボールを田中美南(日テレ・ベレーザ)がワンタッチでGKをかわしてシュートに持ち込む。これはジュリー・アーツに掻き出されてしまうが、惜しい場面だった。

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