「CB鮫島彩」で強豪国に挑む、なでしこジャパンの攻守に必要なもの (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 日本が得点を狙う場面も少なかったわけではない。8分に阪口夢穂(日テレ・ベレーザ)出した前線へのフィードに反応したのは、田中美南(日テレ・ベレーザ)と中島依美(INAC神戸)だ。クリアボールを拾った横山久美(フランクフルト)がシュートに持ち込んだ。タテパス3本でビッグチャンスを作ったのは42分。市瀬菜々(ベガルタ仙台L)から阪口へ渡ったボールはロスなく前線の横山に収まる。すぐさま押し出したスルーパスに反応した田中が完璧に裏を突いた。しかし、GKとの対決に敗れ、ゴールならず。

 62分には途中交代の籾木のクロスに合わせようとした横山をすり抜け、DFに当たったボールがクロスバーを叩く。こぼれ球を田中が詰めるもバーを越えていった。決定的な場面を作りながら、ことごとくゴールマウスに嫌われるなか、鬱憤を晴らすかのようなゴールがようやく生まれたのは63分。左サイドで相手を一枚かわした中島が繰り出した完璧なクロスに合わせたのは、ゴール前でフリーになっていた籾木。落ち着いてコースを狙いながらヘディングで力強く叩き込んだ。

 しかし、ここからはブラジルの攻勢に自陣に張りつくしかなくなった日本。しのぎ続けていたものの、87分にカミラにミドルシュートを決められ、ドローという結果に終わった。 

 前半からマルタ、ルドミラらから浴びる強烈なシュートをセーブしていたのはGK山下だ。読みもキレも冴え渡っていた。前半こそ、ヒヤリとする場面もあったが、後半になるとそのブレもなくなり、ブラジルの反撃を跳ね返し続けた。

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