小川航基、岩崎悠人、田川亨介、久保建英。U─20代表のFWは戦える (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 そして久保に関してだが、現状は周りが騒ぎすぎている印象が強い。2列目に落ち、ボールを受け、前を向く。そのプレーの精度は高いし、その後のアイデアも豊富に持っている。ホンジュラス戦も、記者席からため息が出るほどだった。しかし、実際は相手に引っかかってしまうパスも多く、簡単にボールロストをする場面も見られ、緩急の変化だけでは最後まで崩せない実状を露呈した。

「ボールを持って仕掛ける、ドリブルに注目してほしい」

 そう久保は語るが、真骨頂はむしろ速い球離れにある。ホンジュラス戦も、くさびのパスを左サイドの選手にフリック(流すようにコースを変える)し、好機を演出。ダイレクトパスにこそ、バルサ育ちならではのビジョンと判断のクオリティーが出る。シューターとしても、ケレン味のなさに魅力があるだろう。

 一方で、未成熟な選手に、ファンタジーなプレーばかりを求めるべきではない。例えばホンジュラス戦の延長戦(90分の試合の後に行なわれた30分1本の練習試合)で見せたループシュートは、非凡さの象徴として伝えられている。しかし、裏に抜け出すタイミングとボールコントロールは特筆すべきものがあったが、どんなに華やかでもシュートそのものを外したら何の実にもならない。

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