スペインの知恵袋が斬るタイ戦。「久保、香川、岡崎の動きは完璧だ」 (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Sano Miki

 しかし、攻守のバランスは後半途中まで安定しなかった。結局、チームとしてリトリートして必死に守り、凌いだ。GK川島(永嗣)のセービングなど、守備陣が集中していたことは間違いない。

 わずかな隙を見つけ、後半12分に3点目を得ている。

 右タッチラインのスローインからで、まずは岡崎がマークを外に連れていく。そのスペースにフリーで入った久保がボールを受け、さらにこのとき、香川がもう1人を牽制するように脇を走り、久保は左足で狙い打ちした。そのシュート技術は高かったが、周りの選手の戦術的な動きが抜群だった。ちなみにこのとき、原口も逆サイドで好位置を取っている」

 3点目を入れてから、「日本は落ち着きを取り戻した」とエチャリは言う。

「久保、原口の足が止まりつつあったが、本田(圭佑)、清武(弘嗣)の交代投入で活気づいた。3点目を奪った後はビルドアップやボールの巡りも改善されている。本田は(疲れが出たチームの)プレーの質を維持し、ゴールへの意欲と決断(シュート、クロス、ダイレクトパスなど)で非凡なところを見せた。後半38分には、清武が蹴ったCKを吉田がヘディングで合わせている」

 4-0で日本がタイを下した試合について、最後にエチャリは好意的にまとめた。

「センターバックとボランチの連係は悪かったが、ロングパスからの攻撃はひとつのオプションになっていた。個人としては、久保の技量の高さ、岡崎の動きの巧みさが目立った。苦しい時間はあったが、ディフェンスの集中は落ちていない。それが無失点という結果につながったのだろう。この勝利を挙げるために努力をした日本代表に、『おめでとう』と祝辞を送りたい。勝利することは簡単な仕事ではないからだ」
(UAE戦・タイ戦、選手評につづく)

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