「海外組好き」のハリルも改心。今野泰幸がJリーグの価値を証明した (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 だが、オマル封じの一方で、対応が手薄になった15番のイスマイール・アルハマディにはかなり守備網を破られた。シンプルでいてスピードのあるワンツーに、日本の選手が振り切られる場面は多かった。

 前半、アルハマディのドリブル突破から迎えたピンチは、GK川島永嗣の好セーブを称えるとしても、後半開始直後にあったUAEの決定機は、彼のシュートミス(左からのクロスに合わせ損ねた)に助けられたものだ。これが決まっていれば、まったく違う結果になっていた可能性は十分にある。

「美しい勝利」というのは、自分たちに都合のいい場面だけをつなぎ合わせた見方のように思う。

 そんななか、この試合において勝利とは別のところで価値を感じるのは、Jリーグでの活躍が日本代表につながったこと。すなわち、Jリーグで高いパフォーマンスを見せている選手が日本代表に選ばれ、その選手の活躍が日本代表に勝利をもたらしたという点である。

 言うまでもなく、MF今野泰幸のことだ。

 このところの今野がガンバ大阪で見せる活躍は、あまりにも際立っていた。特にハリルホジッチ監督も現地で視察していたJ1第2節の柏レイソル戦では、極めてインテンシティの高いプレーを90分間持続(ガンバ・長谷川健太監督が「肉離れを起こすのではないか」と心配するほどだった)。鳥肌が立つほどに素晴らしかった。

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