サッカー五輪代表、ブラジルに惨敗で「本当の自分たち」を知る

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Koji Watanabe/Getty Images

 スコアは、必ずしも両者の実力差を正確に表すとは限らない。数字上の結果は2点差でも、試合内容はというと、それとはまるでかけ離れた惨敗だった。

 リオデジャネイロ五輪に臨むU-23日本代表が、大会前最後の強化試合としてブラジルと対戦した試合は、日本が0-2で敗れた。

本番前最後のテストマッチでブラジルに翻弄された日本本番前最後のテストマッチでブラジルに翻弄された日本 スコアだけを見れば、まずまずの接戦だったかのようにも思えるが、日本はブラジルにまったく歯が立たなかった。面白いようにパスをつながれ、易々とドリブル突破を許し、決定的なシュートを何本も浴びた。

 失点が2点で済んだのが不思議なほどで、前半のうちに、少なくともあと2、3点は入ってもおかしくなかった。それほど両者の実力差は大きかった。日本はブラジルからボールを奪うどころか、満足に体を触らせてもらうことすらできなかった。

 0-2になり、ブラジルが明らかにギアを一段階落とした後半こそ、日本はそれなりにチャンスを作った。前半にはまったくなかった、落ち着いてボールをつなぎ、相手ゴールに攻める場面を何回かは作れた。

 しかし、残念だが、それを評価するのは難しい。リオ五輪のような世界大会においては、わずかなミスも許されない0-0の緊迫した状況の中で、それができるかどうかが重要だからだ。

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