ハリル戦術のカギ。サイドアタッカーは発見できたか

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 原壮史●写真 photo by Hara Masashi

 本田圭佑、武藤嘉紀、乾貴士、永井謙佑、宇佐美貴史、大迫勇也。

 これは、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の初陣となったチュニジア戦、ウズベキスタン戦で出場した"サイドアタッカー"の面々である。出場時間が多い順に並べたが、本田の102分間が一番多く、大迫の18分間が一番短かった。

 はたして、新監督が求める左右サイドアタッカーは見つかったのだろうか?

結果を出した宇佐美貴史だが、本来サイドの選手ではない結果を出した宇佐美貴史だが、本来サイドの選手ではない ハリルホジッチ監督はブラジルW杯でアルジェリア代表を率い、スピード感溢れるカウンター攻撃を武器とした。決勝トーナメントでは、世界王者になったドイツをあと一歩のところまで追い詰めている。ベルギー、韓国、ロシア戦を含めて4試合、指揮官は目まぐるしく戦術を変えたが、カウンター主体の戦いは変わらなかった。

<常に敵ゴールを意識しろ。積極的に裏へ走り、一気に得点を狙え。それが不可能な場合、中央は手数をかけず、サイドから速く崩していく>

 指揮官の哲学は、極めてリアリスティックである。

 その戦術においてキーマンになっていたのが、縦の突破力と得点力が豊富な左右サイドアタッカーたちだった。リーガエスパニョーラのバレンシアで活躍するフェグリを筆頭に、ジャブ、スダニ、ブライミらはいずれも走力が高い。足が速いだけでなく、フィジカル的に強く、技術的にもトップスピードでボールを扱える。

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