【なでしこ】近賀ゆかり「私、アーセナルでは1年生です!」 (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

―― チームの雰囲気ってどんな感じでした?

近賀 INAC神戸のときもアメリカ人選手とかがいたので、話す機会はあったけど、結構陽気な感じだったんですよ。だからそういうのを想像してたんだけど......。イングランドの選手って結構シャイなんですよね。でも、すごく親切でした。

 監督がシーズン中に変わったんですけど、変わる前に監督が「辞めるかも」って話をしてたんですよ、試合後のかなり長いミーティングで。その次の日にチームメイトが家に来てくれて、もちろん英語でのミーティングだったので、「昨日の話わかんなかったでしょ?大丈夫?」みたいな。「監督は辞めるって考えてるけど、自分たちは結果残すしかないから」っていう話をわざわざしに来てくれて。

 そんなことしてくれるなんて想像もしてなかったから、すごくビックリしました。うれしかったし、チームの一員になるのってすごい大変だなって移籍して思っていたけど、そういうサポートはすごく助かった。自分も日本ではこういうのやらなきゃなって思いましたよ、本当。

―― チーム内での自分の立ち位置はどう感じてましたか?

近賀 向こうではほぼボランチをやっていたんですけど、運動量のある選手はほとんどいなかったんですよ。自分の売りはそこだったから、出さないといけないなって思ってた。チームが持ってる私のイメージに、運動量のある選手だというのがあったと思うので、細かい動きとか守備をしっかりとしました。

―― ビックリされませんでした?"カバー"という概念に(笑)

近賀 してたでしょうね(笑)。私が走るとそっちにもあっちにも行くの?って驚いていました。みんなは嫌がってやらなかったりするから、私がそれをする。そうしていくうちに近賀が行くから、周りも連動しようって言ってくれたりとか。最初は勝てない試合が続いていたけど、上手くいかない中でも運動量は気をつけてましたね。

―― ボランチは、気が利いてないとできないポジションですね。そういうプレーをしていく中で、チームメイトから信頼されてきてるなって感じることはありましたか?

近賀 正直、そういう信頼を勝ち取れたかって聞かれたら、ちょっと微妙かな。でも、得点って、手っ取り早いっていうか、信頼を勝ち取るには一番わかりやすいですよね。

―― 得点に絡む動きができるとか。

近賀 はい。向こうに行って何試合目かに私からシノ(大野忍)にボールを出して、決めたのはすごく評価してくれたんです。向こうではなかなかない感じの形だったんですよ。シノが上手く引き出してくれて、「日本人ってああいうプレーするんだ、キレイなゴールだったね」って。代表で言ったら、アヤ(宮間)がスルー出して、FWが相手の間で上手くターンしてみたいな感じ。向こうはロングシュートとか、クロスとか、ドリブルして、1-1を抜いてシュートとかが多いから余計に、隙間を縫って、意志の疎通が取れた連係は評価してくれる。続けなきゃいけないって感じました。

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