U-21代表が「4-3-3」を採用した最大のメリット
9月特集 アジア大会2014の発見!(2)
5-4-1から、4-3-3へ。
アジア大会のグループリーグ第2戦。この世代で「アジア最強」と言われるイラクとの一戦を迎え、U-21日本代表を率いる手倉森誠監督はシステムを変更してきた。中盤の底、いわゆるアンカーとして起用されたのは、湘南ベルマーレでセンターバックを務める遠藤航――。指揮官が温めてきた新システムを披露した瞬間だった。
4-3-3でアンカーに起用された湘南ベルマーレの遠藤航(左) 4-3-3といえば、先日、初陣を飾ったばかりのハビエル・アギーレ監督率いるA代表がベースにしている布陣である。しかも、展開力とバランス感覚に優れたセンターバックのアンカー起用も、A代表と共通するもの。ウルグアイ、ベネズエラと戦ったアギーレジャパンでも、普段はセンターバックの森重真人がアンカーで起用されていた。
手倉森監督がアギーレ監督の選手起用に影響を受けているのは確かだろう。だが、単にマネしたのかというと、そうではない。今年1月にオマーンで行なわれたU-22アジア選手権でも、試合によっては4-3-3で戦い、8月の福岡キャンプでは本格的に導入している。その合宿に不参加だった遠藤のアンカー起用も、その時点で匂わせていたからだ。
4-3-3の採用や、攻撃力に優れたセンターバックのアンカー起用に限らず、アギーレ監督と手倉森監督に共通点は多い。
4-3-3をベースに複数のシステムを使い分けると明言したこと。全選手に高い守備意識を求めていること。戦況や相手によって戦い方を柔軟に変えると宣言していること。スタイルは二の次で、勝負にこだわっていること......。
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