2014.05.20

【なでしこ】W杯決定よりも大きなエース大儀見優季の「置き土産」

  • 早草紀子●文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 女子アジアカップグループリーグ最終戦は新戦力たちの晴れ舞台となった。このヨルダン戦で引き分け以上の成績を収めれば来年のワールドカップ出場が決定する。

2点を決めて初戦オーストラリア戦の悔しさを晴らしたFW吉良知夏 ヨルダンは日本サッカー協会からアジア貢献事業の一環として派遣された沖山雅彦監督のもと、初めて女子アジアカップ本大会に勝ち上がってきたフレッシュなチームで、日本との実力差は明らか。しかし、この対戦を大きなチャンスと捉えて全力で向かってくる、団結力を持つチームから、ゴールを奪うのはなかなか難しいもの。

 そういったプレッシャーと完全守備の相手、という二つの要素を打ち破ってほしいと、佐々木則夫監督はここまで控えにまわっていたすべての選手起用をした。

 その上でボランチには第2戦(ベトナム戦)を回避した阪口夢穂と、猶本光。2トップには初戦(オーストラリア戦)と同じ吉良知夏と髙瀬愛実を置いて勝負をかけた。

 立ち上がり、まず仕掛けたのは吉良だった。左SB宇津木瑠美のロングボールに反応し裏へ抜け出す。左足から放たれたシュートはGKの好セーブにあうも、一切の迷いはない。

「自信を持ってどんどんシュート打って行こう!」と試合前に澤穂希から激励を受けた吉良は、下を向くことなく、常にゴールを意識するプレイを続けた。そして26分、待望のゴールが生まれのだ。猶本からのパスを宇津木が中へ折り返し、中央で待ち構える吉良がヘッドで押し込んだ。初戦のオーストラリア戦で期待に応えられなかった鬱憤を晴らすゴールを挙げ、控えめなガッツポーズを見せた吉良。どんなに苦しくてもゴールへの意識は貫き通す。その思いが吉良にゴールをもたらした。