【なでしこ】アルガルベ杯決勝へ。スウェーデンに逆転勝利の価値 (2ページ目)

  • 早草紀子●文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

「うちらのミスから失点はしてしまったけど、逆転する力はあると信じてる部分はあった」と岩清水が語れば、「ここには優勝をしにきてる」と、チームにハッパをかけたキャプテンの宮間は「サッカーを楽しむうえで持ってなきゃいけない自信」と、逆転劇を疑う者はいなかった。

 それは後半の早い時間に形になって表れた。48分、スウェーデンDFへのバックパスが乱れた。それを狙っていた大儀見がすかさず奪って同点弾を叩き込む。このゴールは大儀見にとっても代表通算48ゴール目(歴代2位に並ぶメモリアルゴール)。相手のミスを見越したポジショニングから生まれたものだった。

 その後決定機が生まれず、何とか逆転ゴールが欲しい日本は65分、澤に変えて岩渕真奈を投入した。それでもスウェーデンのカウンターに苦しめられた。77分には左サイドからの折り返しにイエランソンが合わせてきたが、これはGK海堀あゆみがスーパーセーブ。その直後にも、今度は右サイドからのクロスに合わせたシェリーンのヘディングシュート。これも海堀が正面でキャッチ。

 危険な時間帯を凌ぎ切った日本に大きなチャンスが訪れた。宮間、大儀見とつないだボールから岩渕が強烈なシュート放ち、CKを得る。そのCKの混戦でスウェーデンがたまらず痛恨のハンド。ホイッスルの音が響き、主審が指し示したのはPKだった。「緊張したんですけど、ここでミスするかしないかで決勝にみんなを連れていけるかいけないかが懸かっている。思い切って蹴りました」(宮間)。ここまでセットプレイでいい形を生むも得点に結びついていなかった。重圧の中、宮間がしっかりとこれを沈めて逆転に成功した日本がそのまま逃げ切った。

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