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本田圭佑「オランダ戦とベルギー戦を総括する」 (2ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 益田佑一●撮影 photo by Masuda Yuichi

 日本代表は、コンフェデレーションズカップ(6月)のブラジル戦から10月のベラルーシ戦まで8試合をこなして(欧州組が参加していない7月の東アジアカップは除く)、6試合で先制されている。その戦績は、1勝5敗である。ゆえに今回も、試合の立ち上がりは特に気を使って、相手に先に点を与えないよう、かなり意識していたはずだった。にもかかわらず、オランダ戦でも、安易なミスから先制点を献上してしまった。

 さらに、オランダ戦に続いてベルギー戦でも、GK川島永嗣の不用意な飛び出しと、DF酒井高徳の緩慢なカバーというミスが重なって失点。相手に先制点を与えてしまった。同じ失敗を繰り返した戦いぶりに、本田は「無視できない」と、ベルギー戦後にも改めて危機感を露わにしたのだろう。

「いいリズムの時間帯は、(10月の)セルビア戦(0-2)、ベラルーシ戦(0-1)のときもあったんです。でも、悪い時間帯のとき、相手のリズムになったときに簡単にやられてしまう。本当はそこで、いかに失点しないで我慢できるかどうか。それが重要。今回もそう。(オランダ戦の)2点目は、ロッベンのゴールでしたけど、その前のファンデルファールトが胸でトラップしてサイドチェンジした瞬間、やられる雰囲気がありましたからね。その、やられる雰囲気でやられるというのは、負けるチームなんです。負けるチームは、そういうものなんです」

 オランダ戦では、スカウティングでロッベンの得意な得点パターンを誰もが把握していた。それなのに、簡単にゴールを決められた。そういうところにも、本田は"チームの弱さ"を感じたのかもしれない。しかし、世界トップレベルの選手は、事前に映像で確認していたとしても、それをはるかに越えたプレイをしてくることがある。

「そこは(世界レベルに)慣れていくしかないんですよ。ただ、慣れたくても、Jリーグでプレイしている選手は普段からそういう選手たちと対峙しているわけではないので、それはイメージするしかない。ここで、オランダとベルギーとやって、そこで体感したことをJリーグに戻ってどう還元して、自分自身でどう意識づけしいくか。試合の中で、日本人の選手を止めているだけで普通に満足しちゃいけないと思うし、常に高い意識を持って、自分にプラスアルファーの課題を設けてステップアップしていくことが必要だと思います」

 一方、攻撃面についてはどう見ているのか。本田は一定の評価を与えながらも、自らのゴールをはじめ、チーム全体の攻撃に関して、満足した表情を見せることはなかった。

「高い位置からプレスがかかったときは、いい攻撃ができたかなと思います。オランダ戦の1点目(大迫勇也のゴール)は、入らない雰囲気のところで点が入った。サッカーはそういうものでもあるんで、だからオランダ戦は引き分けに持っていけたと思うんです。

 ただ今回、ショートカウンターとショートパスのつなぎから点がとれたけど、それだけだと(世界と戦うには)厳しくなってくる。(オランダ戦の)自分が決めた2点目で言えば、あれはたまたま(相手に)迫力のあるDFがいなかったから、2、3本(パスが)つながって、チャンスっぽくなった。でも、あそこでブラジルのダビド・ルイス(DF)やチアゴ・シウバ(DF)がいたら止めてくると思うんです。そこまでの素晴らしいパスワークを、完全に"無"にしてしまう感じで、個の力で止めてくる。『止めてしまえば、何の問題もないでしょう』という個人戦術がブラジルや強豪国にはある。(自分たちは)常にそういう相手をイメージして、(ボールを)つながないといけない。

(オランダ戦の)後半、自分らはイケイケになっていたけど、あれはヤットさん(遠藤保仁)が入って、短いパス、長いパスを使い分けることができるようになったから。(攻撃の幅が広がった)その点は良かったと思いますが、あとは個々の精度でしょうね。そこはもっと高めないといけない」

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