2013.11.05

欧州にも対抗し得るサッカー指導者が日本に生まれた

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by GettyImages

 そして吉武監督も同じような台詞を吐いた。

「勝つためにやっているんです」

 リージョはこうも言った。

「良いサッカーをしても、勝たなければ何の意味もないという声をよく聞くが、良いサッカーと勝利を別物としてとらえることは間違いだと思う。サッカーの長い歴史を振り返れば、良いサッカーをしたチームが勝っていることが分かる。それがいつから別物になってしまったのか」

 スウェーデンに敗れ、ベスト8入りを逃した吉武監督は、試合後の記者会見で、外国人記者の「これからもこのスタイルを貫くのか?」という質問にこう答えた。

「問題は10回戦って何回勝てるか、です。それを考えると、1回の敗戦でこのサッカーをやめるつもりはない」

 世の中にはこの敗戦を受けて、吉武サッカーに異を唱える人も目立つ。しかし、10回戦って何回勝つかというまさにサッカーらしい視点に立つと、吉武サッカーは、次は勝てるという気持ちを抱かせる。

 実際、スウェーデン戦の2失点は、いずれもGKミスだった。通常なら防げていたはずのものだった。敗因をひと言でいえば不運。吉武ジャパンには正直、10回戦ったら7~8回勝てそうな可能性を感じた。

 相手のスウェーデンは、世界のヒエラルキーに従えば日本より強い国だ。つまり、日本は大善戦したわけだ。吉武監督のサッカーにケチをつけている人は、日本の立ち位置が分かっていないような気がする。