2013.09.20

阪口夢穂が語る「ボランチから見たなでしこジャパンの今と昔」

  • 早草紀子●文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 なでしこジャパンの心臓部といえば、攻守に関わるボランチ。再び世界の舞台を目指すなでしこジャパンのボランチとして、不動の存在感を示すのが阪口夢穂だ。しかし、澤穂希とのゴールデンコンビでワールドカップを制し、ロンドンオリンピックの銀メダル獲得に貢献した阪口も、なでしこに招集されてから最初の数年はベンチを温め続けた。

阪口夢穂(さかぐち みずほ)1987年10月15日(25歳)大阪府生まれ。日テレ・ベレーザ所属 存在感を放つようになったのが、18歳で迎えた2006年アジア大会の頃のことだ。徐々に高いポテンシャルを発揮し始め、2008年には北京オリンピックへ向けて、澤とのボランチコンビが誕生。以降、なでしこジャパンのボランチは阪口の定位置となった。

「なでしこのボランチって”慣れ”ですから。私だって、チーム(日テレ・ベレーザ)ではもっと前でプレイしてるから本職ではないし、なでしこのボランチは守備にも攻撃にもガッツリ絡むから独特のリズムがあって、それに慣れるのが大変なんです」

 ロンドンオリンピック後、始動したなでしこジャパンの初海外遠征である今年3月のアルガルベカップ(ポルトガル)には右膝のケガで参加できず、多くの新戦力が試された大会を阪口は日本で見ていた。

「なんていうか……変な意味じゃなくてみんな気の毒な感じがした。ゲームを作れるベテランがいなくて、ただでさえ手さぐりの中、中堅は自分たちで引っ張っていかなきゃいけない。そこに慣れてない新人選手たちが入ってくる訳で、しかもその選手たちも普段のポジションじゃないところを任されたりしてたから、それぞれに苦しそうだった……」

 阪口がなでしこに戻ってきたのは、6月のイングランド・ドイツ遠征だ。ワールドカップドイツ大会で唯一黒星を喫したイングランド、そしていつの時代でもメダルの前に立ちはだかってきたドイツとの2連戦。しかし、阪口に最も焦燥感を与えたのは遠征直前に鳥栖で戦ったニュージーランド戦だった。ニュージーランドと言えば、これまで日本が得意としてきた相手だ。しかし、結果は1-1のドロー。

「実際、ロンドンの時と少ししか変わってないメンバーで戦ってみて……自分たちのことよりも相手がすごく変わったって感じた。ニュージーランドは(ロングボールを)蹴ってくるイメージがあったけど、実際には結構つながれてしまった。でも自分たちのサッカーってそんなに変わってない。特に守備に関しては変わってない中でかいくぐられたから、ヤバイなって。守備はなでしこの生命線みたいなところ。攻撃は結構自由でそれぞれの感性で出来るけど、なでしこの守備は11人で同じことを考えてないと出来ないんです。研究されてるのは十分に感じるし、このままのスタイルで戦うっていうのはもう無理。プラスアルファがないとダメだなっていうのは痛感しました」