ウルグアイ戦、ザッケローニ監督は選手の「序列」を壊せるか (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 使われる側の選手たちにとっても、呼ばれたはいいが、試合出場の機会がないのではいつまで経っても序列は崩せないし、監督が自分のことをどう評価しているのかも見えてこない。もしここで――東アジアカップ後の初戦で――さっそく新戦力が起用されれば、ザッケローニ監督の姿勢が示されることになり、今後新たに加わってくる選手にとっても大きくモチベーションを高めることになるはずだ。

 実際、東アジアカップでも登録メンバー23人中、GK林卓人を除く22人が先発起用された。新戦力発掘が最大の目標であると公言して臨んだ大会だけに、少々事情は異なるにしても、ザッケローニ監督の選手起用法に変化が生まれているのは確かだろう。

 もちろん現実的に考えて、序列を完全に壊すことは難しい。従来の主力組には、戦術理解度などの点で相応のアドバンテージがあるからだ。だが、それにこだわりすぎれば、チームの成長は停滞してしまう(実際、すでに停滞しつつある)。そのことは過去の日本代表を見ても明らかだ。

 ザッケローニ監督は従来の序列を壊し、本当に「全員が同じスタートラインからの競争」をさせる覚悟があるのかどうか。そして、それこそがチームをさらに強くするための手段であると考えているのかどうか。

 主力組が合流するという点で本当の意味でのコンフェデ後初戦であるウルグアイ戦は、それを確かめる貴重な機会となる。

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