【なでしこ】 問われる佐々木監督の手腕。なでしこジャパンを取り巻く世界の強豪の現在地 (3ページ目)

  • 早草紀子●取材・文 text by Hayakusa Noriko
  • photo by Hayakusa Noriko/JMPA

 日本だけでなく、各国がモデルチェンジを図るこの時期。日本女子サッカーが各国から注目されていることは言うまでもない。今後は徹底した日本対策を練ってくる相手ばかりになる。アジアでもこれまで以上に厳しい戦いとなるはずだ。日本の十八番である攻守における連動もパワーやフィジカルで封じられることが予想される。

 佐々木監督はこれまでも戦術スタイルすべてをオープンにしながら、さらにその上のプレイを見せるというやり方を貫いてきた。JFAがU-15年代にスポットを当てて活動を始めたころ、その指導の先頭に立っていた佐々木監督が、誰よりもその選手層と特長を把握していることは確かだ。本人も「底上げが自分の仕事」と言い切る。

 しかし、W杯ドイツ大会優勝、ロンドン五輪銀メダルというなでしこジャパンの結果は、選手たちの能力の高さと国際経験の豊富さで助けられた部分も多分にある。現在のなでしこジャパンは良くも悪くも注目の的だ。さまざまなリスクを負ってでも大ナタを振るうか、ある程度の結果を出しながら時間をかけて若手の成長を促すのか――。

 最大の課題である世代交代をどう進めるのか、佐々木監督の真の手腕が問われる。


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