【五輪代表】44年ぶり快挙の「本当の価値」はどこにあるのか

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 渡辺航滋●撮影 photo by Watanabe Koji

ロンドン五輪で予想外の快進撃を見せた関塚ジャパン。ロンドン五輪で予想外の快進撃を見せた関塚ジャパン。 銅メダルをかけた晴れの大舞台は、ある意味で日本と韓国のどちらにとっても、酷な試合だったのではないだろうか。

 アジアのサッカー界をリードする両国は、ともにロンドン五輪で準決勝へ進出。両国にとって喜ぶべき結果だったはずだが、最後の最後で日本は韓国に、韓国は日本に、負けて終わるとなれば話は別。3位決定戦は、ベスト4進出の価値が失われかねない試合になる。どちらにとっても同じことが起こり得た。

 はたして、日本は韓国に0-2で敗れた。メキシコ、ブラジルとともに表彰台に立つことが許されたのは、韓国だった。銅メダルを逃したこととは別に、アジアのライバルの後塵を拝したことへの無念はある。

 しかし、2大会連続でU-20W杯出場を逃し、国際経験に乏しかった"ロンドン世代"が五輪という舞台で、しびれるような真剣勝負を6試合も戦えたことは、大きな財産。決して小さくはない成果を得たロンドン五輪だったはずである。

「思い通りにできた試合とできなかった試合があるが、充実した五輪だったかなと思う。メダルを取れなかったのは、自分たちの実力。次は(年代別代表が終わり)A代表しかないですが、またひとりひとりががんばって、A代表でやれるようになればいい」

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