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オリックスで8年、独立リーグ、台湾プロ野球を経て再び東京ドームへ 元ドラ1・吉田一将が37歳目前で見せた"投手の完成形" (3ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Masahiko Abe

「ベテラン選手の日常を見ていると、本当に勉強になります。『これさえやっておけば調子をキープできる』という、自分のスタイルみたいなものを持っていますよね」

 当時のJR東日本には、片山純一(現・瀬戸内高監督)という社会人9年目の絶対的エース左腕がいた。

「片山さんは普段は30球ぐらいしか投げないのに、試合になると平気で完投できる。試合で100%の力を出すための練習が、しっかりできているように思うんです。走り込みやトレーニングも取り入れて、体そのものを強くしている。だからこそ、長く投げ続けられているんでしょうね」

【球速よりもコントロールがほしい】

 吉田に自身のキャッチフレーズをつけるとすれば何かと尋ねた。

「『ゲームメイク』なのかな......。相手より先に失点しないこと。もし万が一、先に取られても最少失点であること。味方が点を取った、そのあとのイニングは絶対に0で抑えること。初球のストライク率60%以上を目指してやっています。3球で1ボール2ストライクに持っていきたいので。そのなかで、両サイドは当然のこと、高めも使って、ど真ん中の変化球もあったり、初球を全力でいって、そこから徐々に引いていったり。いろいろとバリエーションをつけています」

 では、野球の神様から、投手に必要なものをひとつだけもらえるとしたら?

「いつでもアウトローに投げられるコントロールがほしいですね」

 即答だった。こちらが予想していたのは「プラス5キロの球速」だったが、あれだけのコントロールがありながら、さらに"精度"を求めることにちょっと驚いた。

「スライダーのコントロールとキレにはけっこう自信があるんで、まず右打者の外角低めにストレートを決める。そこからボール1個分高く、1個分内側を狙ってスライダーを投げて、ストライクゾーンからボールゾーンへ流してやれば......」

 コントロールという概念の「単位」が、こちらとは違っていた。

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