【プロ野球】セ・リーグの新人王候補左腕を星野伸之が分析 阪神とヤクルトのルーキーはどこがすごい? (3ページ目)
【ヤクルトのドラ3ルーキーは「大胆に投げる」】
――次にヤクルトのドラフト3位ルーキーの荘司宏太投手についてお聞きします。今季45試合に登板し、2勝1敗28ホールド、防御率1.05と抜群の安定感を見せました。ピッチングの印象はいかがですか?
星野 今のリリーフは150キロ台中盤から160キロ近いストレートを投げるピッチャーも増えてきましたので、荘司のストレート(今季最速148キロ)が速いかといえばそうではないのですが、彼は腕の振りがいい。なので、コースが甘いボールでもバッターが差し込まれてファウルになるケースがよく見られました。
それと、あの狭い神宮球場でこれだけ多くの試合を投げていて、防御率1.05は立派な成績です。少々甘くなっても「腕だけはしっかり振っていくんだ」という意識が高いのかもしれません。
――真上から力強く腕を振り下ろす投球フォームが特徴ですね。
星野 日本やメジャーでも活躍した岡島秀樹ほどではないですが、頭を振りながら投げるタイプですね。どの球種を投げる時でも、頭を振りながら腕を真上から強く振り下ろすので、チェンジアップ(被打率.145)も効きます。
スライダーやカーブもたまに投げますけど、ストレートの被打率(.083)も低いですし、このふたつの球種だけでも十分だと思います。まだプロの経験が少ないルーキーという利点もあるのかもしれませんが、とにかく大胆に投げることができるピッチャーですね。
体格もいいですし、マウンド度胸もある。プロ1年目とは思えない風格も感じます。来シーズンはまたゼロからのスタートになると思いますが、今オフの過ごし方も大事になってくるでしょうね。ヤクルトの首脳陣にとっては、すでに計算できるピッチャーのひとりだと思います。
(パ・リーグ編:注目する若手左腕 オリックス曽谷龍平は「もっとピッチングの幅を」>>)
【プロフィール】
星野伸之(ほしの・のぶゆき)
1983年、旭川工業高校からドラフト5位で阪急ブレーブスに入団。1987年にリーグ1位の6完封を記録して11勝を挙げる活躍。以降1997年まで11年連続で2桁勝利を挙げ、1995年、96年のリーグ制覇にエースとして大きく貢献。2000年にFA権を行使して阪神タイガースに移籍。通算勝利数は176勝、2000奪三振を記録している。2002年に現役を引退し、2006年から09年まで阪神の二軍投手コーチを務め、2010年から17年までオリックスで投手コーチを務めた。2018年からは野球解説者などで活躍している。
著者プロフィール
浜田哲男 (はまだ・てつお)
千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。
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