【PL学園・同級生トーク】平石洋介と上重聡、お互いの第一印象は「これだけレベルの高い人がいるのか」「走攻守の三拍子がそろっている」 (3ページ目)
【ベンチ入りとボールボーイ】
――PL学園に入学後、上重さんは1年生の夏からベンチ入りしたと聞きました。
平石 そうなんですよ。これはすごかったですね。 PLで1年生の夏から入るってありえないじゃないですか。ちょっと嫉妬しますよね。
――当時のPLはひと学年何人くらい所属していましたか?
上重 各学年20人ずつですね。
――先日別番組で(PL学園OBの)片岡篤史さんと野村弘樹さんが「1年生でベンチ入りはすごい」と言っていて、上重さんはドヤ顔をしていました(笑)。
上重 先輩の前でドヤ顔なんて、するわけないじゃないですか(笑)。
平石 聡はする(笑)。
上重 ちなみに1年生の夏にベンチ入りしたピッチャーは、歴代でも桑田真澄さん、私、前田健太しかいないんです。
――平石さんはどうだったんですか?
平石 あの頃から選手がボールボーイをやることになって、甲子園の時に中村順司監督に呼ばれて「平石、ボールボーイをやって、近くで空気を味わえ」みたいなこと言っていただいて。
上重 1年生だけど、「甲子園の雰囲気を味わいなさい」と言って指名されているので、期待されている証拠だったと思います。
平石 でも、聡はPLのユニホームを着てベンチ入っていますからね、それはやっぱりうらやましかったですね。
――登板はされたんですか?
上重 していないんですよ。予選から甲子園までエースの前川勝彦さんがひとりで投げ切りました。ただ、甲子園の2回戦で大量にリードをしていた時に、「9回に上重いくぞ」と監督に言われて「いよいよ、甲子園デビューか」と思っていたら、(前川)先輩が「僕が投げます」って......。ここまでずっと投げてきて、最後の1イニングも自分で締めたかったんだと思います。「えっ、それアリ?」と思いながらも先輩が投げたので、甲子園のマウンドは近いようで遠い感覚でした。
平石 前川さんは八尾フレンドの先輩でもあるんですよ。後輩のために「上重をいかせてください!」ぐらい言ってくれたらよかったのに気がきかなかったな(笑)。
上重 いや、いい先輩だったと思います(笑)。
平石 あえて言っているんだから乗っかってこいよ(笑)。
上重 今思うと、(投げていたら)勘違いした部分も出てきたのかなと思うので、投げないでよかったのかなとも思っています。
後編を読む>>>同級生の平石洋介と上重聡が語る名門・PL学園の教え「甲子園よりも普段の練習のほうが緊張していた」
Profile
平石洋介(ひらいし・ようすけ)/1980年4月23日、大分県出身。PL学園から同志社大学、トヨタ自動車を経て、2004年にドラフト7位で楽天に入団。2009年にはプロ初本塁打を放つなど活躍し、2011年に現役を引退。2019年に楽天の監督を務める。現在は野球解説者として活動している。
上重聡(かみしげ・さとし)/1980年5月2日生まれ、大阪府出身。PL学園時代にエースとして活躍。立教大では東京六大学リーグで史上ふたり目の完全試合を達成。卒業後の2003年にアナウンサーとして日本テレビに入社。2024年3月末をもって同社を退社し、現在はフリーアナウンサーとして活動している。
3 / 3