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【プロ野球】攝津正から見たパ・リーグ優勝争いは「ソフトバンクが絶対的に有利」 投打のキーマンも挙げた (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

【野手のキーマンは?】

―― 一方でバッター陣の現状はどう見ていますか? 今季は昨季に比べて打順を動かしている印象もあります。

攝津 ケガ人が出たりしていたので、しょうがない部分ではありますよね。最近は近藤健介があまりよくないですし、山川穂高の不調が長いということもある。打順を動かさなかったシーズン前半は、ケガ人が増えてなかなか選手がそろわないなか、ずっと4番を任せていた山川の状態がなかなか上がらなくて、勝敗に響きましたよね。

――ただ、誰かが悪かったら他の選手がカバーする流れがありますね。

攝津 柳町達の状態がすごくいい時もありましたし、逆に彼がよくない時は他の選手たちがカバーしていました。中村晃もいい時と悪い時がありますが、うまく選手をやりくりしている印象です。今宮健太がケガで離脱していても、野村勇がいるのでそこまで影響を感じさせません。近藤が打てていなくても、牧原大成が非常にいいですしね。

 牧原は野手のキーマンだと思います。9月は少し打率を落としていますが、8月は月間打率4割近く(.385)打っていましたし、今も状態は悪くないです。本人に聞いても「調子はめちゃめちゃいいですよ」と言っていましたから。

――柳田悠岐選手はファームで指名打者での出場が続いていましたが、近日中に外野守備にもつきそうです。

攝津 出られるとしても、シーズンの最後の最後かポストシーズンじゃないですか。ベンチにいるだけでも大きいです。代打で使えますしね。川瀬晃らいいバッターはいますけど、長打を打てる代打が不足しているので。

――チームの課題を挙げるとすれば?

攝津 ケガ人を出さないことですね。あとは若い選手が多いので、これから優勝のプレッシャーがかかる試合で、どういうパフォーマンスを出せるかじゃないですか。

(後編:ソフトバンクがCSで戦いたくないチームは? OB攝津正が日本ハム、オリックス、楽天の警戒すべき選手を語った>>)

【プロフィール】

攝津正(せっつ・ただし)

1982年6月1日、秋田県秋田市出身。秋田経法大付高(現ノースアジア大明桜高)3年時に春のセンバツに出場。卒業後に入社したJR東日本東北では、7度(補強選手含む)の都市対抗野球大会に出場した。2008年にソフトバンクからドラフト5位指名を受け入団。抜群の制球力を武器に先発・中継ぎとして活躍し、沢村賞をはじめ、多数のタイトルを受賞した。2018年に現役引退後、解説者や子どもたちへ野球教室をするなどして活動。通算282試合に登板し、79勝49敗1セーブ73ホールド、防御率2.98。

著者プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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