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【プロ野球】攝津正から見たパ・リーグ優勝争いは「ソフトバンクが絶対的に有利」 投打のキーマンも挙げた (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――先発ピッチャー陣の状態はどう見ていますか?

攝津 上沢直之がいいですね。(8月20日の)西武戦で二桁三振を取って勝ち投手になったのですが、その時に「体の動きを変えた」という話をしていて。それで状態がよくなったらしいんです。ここ何試合かはずっと安定していますし、これを維持するようであれば、今後は大事な試合を任されるんじゃないかなと。

 これまでであれば、リバン・モイネロ、有原航平といったあたりが柱でしたが、上沢のいまの状態であればキーマンになりえます。ただ、モイネロの状態がよくないんですよ。9月17日の西武戦では約1カ月ぶりに勝ち投手になりましたが、相変わらず球威を感じませんし、投球フォームのバランスも悪そうです。そんな状態がけっこう続いているんです。

――有原投手はいかがですか?

攝津 8月後半の3試合はコントロールが乱れて打たれましたが、9月6日の楽天戦で少し改善の傾向が見られたんです。打たれた要因も自分自身でわかっているピッチャーだと思いますし、そのあたりはあまり心配していません。有原に限らず、先発ピッチャーは年間を通して考えると、やはり波があるので。

――先ほども少し話が出ましたが、中継ぎ陣はどう見ていますか?

攝津 セットアッパーの松本裕樹、藤井皓哉、クローザーの杉山一樹が安定しています。問題は、そこまでどうつなぐか。先発が早い回に降板してしまい、試合を立て直さないといけないケースがあるじゃないですか。最近のソフトバンクは、先発が打たれると立て直せていないんです。もちろん、先発が試合を作ることが一番なのですが、崩れる時もあるので。特に連戦で試合を立て直せないとなると、連敗につながりかねません。

――以前、攝津さんは杉山投手について「ポテンシャルは高いけれど、まだ安定感に欠ける」といったお話をされていました。今季は安定していますが、何がよくなりましたか?

攝津 間違いなくコントロールがよくなりました。以前は制球を乱してフォアボールを出し、自滅する場面が見られましたが、それがなくなったんです。それと、やはりフォークボールですよ。アバウトなのですがストライクゾーンに投げられますし、空振りも取れる。細かい調整ができるようになったんですよね。それによって波が小さくなりました。

 点を取られる試合もあるのですが、3点くらいリードした場面で1失点とか、あまり影響がないところで取られているだけなので。以前はフォアボールを出すと崩れていく心配がありましたが、今は大丈夫そうです。メンタルというよりも、技術面で自信がついたんじゃないですかね。

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