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【プロ野球】DH制導入によって野球はどう変わる? 小笠原道大が危惧する「醍醐味が失われる」 (2ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi

── ベンチ内のホワイトボードに選手名が書いてありますものね。

小笠原 相手チームと自チームの残ったベンチ入りメンバーを見極めながら、投手・打撃・守備それぞれの担当コーチの意見を聞いて采配を振るうわけですから、監督にとっては負担が減ってラクになりますよ(笑)。ただその一方で、「力対力」の勝負は増えてきますね。

【投高打低の傾向は緩和される⁉︎】

── 小笠原さんが二軍監督を務められていた当時、DH制における投手起用はどのようにされていましたか。

小笠原 ご存じない方もいらっしゃるかと思いますが、プロ野球のファーム(イースタン・リーグ、ウエスタン・リーグ)ではDH制が採用されています。ただ、中日はセ・リーグ所属のため、一軍昇格後をイメージして、育成目的であえて投手を打席に立たせることもありました。バントを経験させたり、チーム打撃をさせたりすることもありました。

── DH制導入に伴い、野手側の影響についてはいかがですか。

小笠原 単純に「出場枠」がひとつ増えるため、チャンスは広がります。守備が苦手な選手も出場できるようになり、守備力が衰えてきたベテラン選手の現役寿命も延びます。また、打者がひとり増えることで、「投高打低」の傾向がやや緩和され、「打高投低」に近づく可能性はあります。

── 今のプロ野球で、「打てる投手」として名前の挙がる選手は誰ですか。

小笠原 中日の藤嶋健人選手はいいバッティングをしています。また、プロ入り時に「二刀流」として注目された日本ハムの矢澤宏太選手については、ほとんど野手での出場ですよね。

── かつては、400勝を挙げた金田正一さん(元国鉄ほか)は実働20年で通算38本塁打を記録し、堀内恒夫さん(元巨人)や江夏豊さん(元阪神ほか)は、いずれも自身のノーヒットノーランの試合で本塁打を放っています。

小笠原 最近は「投手に打たれたら......」と警戒するピッチャーは少なくなりましたね。桑田真澄さん(元巨人ほか)のバッティングはほんとにすばらしかったですし、川上憲伸(元中日ほか)も弾丸ライナーのホームランを打っていました。そんな「強打の投手」を見られなくなるのは寂しいですね。

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