検索

【ヤクルト二軍レポート】猛暑の戸田で汗を流す石川雅規、坂本拓己、田中陽翔...世代を超えた一軍への挑戦 (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya

 石川のキャリアを考えると、一軍が神宮や東京ドームの試合の時には帯同しながら、二軍戦に投げて次のチャンスを待つことも可能ではないかと聞くと、「そういう考えはないですね」と即答した。

「先ほども言いましたが、僕は次の登板が決まっているわけではありません。そういう状況のなかで一軍にいるのは嫌なので。立場は若い選手と一緒ですし、戸田は一軍に上がるための場所なので、みんな仲間ですけど、やっぱり自分の野球人生ですから。みんなもそうだと思いますけど、競争意識を持ってやっています」

 石川は8月7日、一軍の巨人戦に先発。勝敗はつかなかったが、6回2失点の好投。打者としては24年連続安打を記録した。15日には二軍の楽天戦に先発。予定の2回を無失点に抑え、次回の一軍登板のチャンスをうかがっている。

【成長続ける北海道出身の3年目左腕】

 3年目の坂本拓己(21歳)は、昨年までは中10日以上の間隔を空けての登板だったが、今年は中6日も経験するなど着実に成長を続けている。7月には「二軍にはない緊張感を味わうことができました」と、一軍の練習に参加した日もあった。

「いろんな方に練習の取り組み方などを聞きました。髙津(臣吾)監督からは、ピッチャーに大事なのはコントロールで、コースの四隅に投げることがいかに重要なのかということを教えていただきました」

 この期待の先発左腕の最速は、1年目の148キロから151キロにアップ。平均球速は140キロから146キロまで上昇した。

「ストレートの質に取り組んできて、7月くらいから球威が上がってきました。変化球も、特にスライダーがよくなってきて、ゾーン内に決まり出して、空振りも取れるようになりました。ここまで先発として中6日で投げてこられた。出力が上がっても、それに耐えられる体ができてきたのかなと」

 その一方で、「今はできたりできなかったりが多いので......」とも話した。

「どの球種でもストライクが取れ、ちゃんと構えたところに投げられるように、そこを詰めていきたいです。今年一軍で投げられなくても、10月のフェニックスリーグ(宮崎)や秋季キャンプで結果を出して、来年の春季キャンプで一軍スタートできたらと思っています」

2 / 4

キーワード

このページのトップに戻る