【プレミア12】チャイニーズタイペイに敗れ連覇ならず 井端ジャパンの選手たちが語った大会から得たもの (4ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke

 2026年WBCまで井端監督の続投が決まっているなか、次の舞台でも期待したくなる選手たちが数多く現われた。今季開幕前に中継ぎへ配置転向され、侍ジャパンでも8回を任された藤平尚真(楽天)はその筆頭格だ。

「優勝して、みんなで喜びを分かち合いたかったなっていう気持ちはすごく強いです。でも個人としては、自分自身を成長させてもらえましたし、本当にもっと上を目指したいなって思った大会でした」

 打率.278と状態がよかったなか、同じショートの源田壮亮(西武)に阻まれて出場機会を思うように得られなかった紅林弘太郎(オリックス)は、ここから数年でどこまで成長できるか。

 第三捕手として献身した古賀悠斗(西武)は、10月末の宮崎合宿から参加した収穫をこう話した。

「一番は、課題のバッティングについていろんな話を聞けました。あとは違うチームで戦っているピッチャーがどうアップしてブルペンに入って、試合中にどういう会話をするのか。そのあたりが学びになりました。僕はこれからライオンズに戻ってやっていくので、自分がまだそういう(教えるような)立場じゃないのも承知のうえですけど、ライオンズの若手が成長していかないといけない時期のなかで『侍ジャパンではこういうことをしていたよ』と話をするだけでも違うと思います」

 井端ジャパンの集大成は2026年のWBCだ。2年後に振り返ったとき、今回のプレミア12からつながっているものがたくさんあるはずだ。当然、悔しい思いをした井端監督も「次こそは」と挑んでいくはずである。

 今回チーム最年長の源田が、試合後の会見でこう締めた。

「初めてジャパンのユニフォームを着た選手は、またこのユニフォームで野球がやりたいと思ったと思います。僕自身もまたこのユニフォームで野球をやりたいなとあらためて感じました。日本の野球界全体のレベルアップを選手みんなで頑張っていって、次は優勝を狙えるようにやっていければと思います」

 8連勝、そして1敗。負けて終わった第3回プレミア12を糧に、日本の野球はまた強くなる道を求めていく。

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