【日本シリーズ2024】DeNA連敗脱出 桑原将志が呼び込んだ勢い 「チャンスのあとにチャンスを作れ」 (4ページ目)

  • 村瀬秀信●取材・文 text by Murase Hidenobu

【どんな形でもいいから勝利を】

 終わってみれば4対1で、この日本シリーズで1勝と流れを取り返したベイスターズ。難攻不落ホークスの日本シリーズ14連勝を止めたが、この試合でも細かいミスが目立つなど、ホークスを乗り越えるにはさらなる進化が求められるだろう。

「今の雰囲気ではホークスに勝てない」と飛ばした檄を、自ら有言実行した桑原に今日の勝利の余韻に浸るような空気は微塵もない。

「まったくないですよ。気持ちは自分のなかで常にできていますし、自分が持てる力のすべてをグラウンドで出しきると頭に叩き込んでやっているだけですから。僕は勢いや流れより、どんな形でもいいから勝ちがほしい。今日の勝ちに意味が出てくるのは、明日以降の戦いでわかることだと思いますから」

ーーチームに流れを呼ぶ先頭打者として『俺についてこい』という気持ちですか?

 最後に桑原に向けると、キッパリと言いきった。

「俺についてこい......とは言わないけど、『俺がやってやる』という気持ちはいつだって持っています!」

 ひとつ取り返して流れは変わるのか。勢いに乗った桑原。そして勢いに乗ったベイスターズは怖い。

著者プロフィール

  • 村瀬秀信

    村瀬秀信 (むらせ・ひでのぶ)

    1975年生まれ。神奈川県出身。茅ケ崎西浜高校野球部卒。主な著書に『止めたバットでツーベース 村瀬秀信 野球短編自撰集』、『4522敗の記憶 ホエールズ&ベイスターズ 涙の球団史』、『気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている』など。近著に『虎の血 阪神タイガース、謎の老人監督』がある。

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