【ドラフト2024】巨人は常勝を目指すなら「ポスト菅野智之」よりもアマ球界ナンバーワン遊撃手だ! (2ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko

 かつての常勝・巨人らしく、2連覇、3連覇を目指すのならば、補強ポイントはほかにある。

 その筆頭として宗山塁(広陵→明治大/遊撃手/175センチ・80キロ/右投左打)を挙げたら、「えっ??」と驚く人もいるだろう。

 今季、巨人のショートは2年目の門脇誠がほぼフル出場の頑張りを見せた。129試合に出場して打率.243ながら、出塁率は3割をクリア。心身の負担が大きなポジションで、2年目にしてこの成績はほんとに頭が下がるが、守備力にやや安定性を欠いた(14失策、守備率.969)。

 スーパープレーはなくても、打ちとった打球はすべてアウトにしてくれるショート。プロの投手たちが一様に求める"遊撃手の理想像"。近いのは、宗山のほうか。

 門脇のアクションスピードと鉄砲肩はプロでも一級品だ。外野で広いエリアを駆け回る仕事のほうに適性を感じる。個人的には、「1番・センター」でさらに活躍できる選手と見ている。

前橋商の大型右腕・清水大暉 photo by Ohtomo Yoshiyuki前橋商の大型右腕・清水大暉 photo by Ohtomo Yoshiyukiこの記事に関連する写真を見る

【伸びしろ満載の未完の大器たち】

 昨年の支配下ドラフトで、1位の西舘以外は4人全員、社会人から即戦力狙いで指名。チーム構成上、今年は20歳前後の選手を獲りたい。ファームに3、4年後に戦力になり得る将来性豊かな投手が少なく、今回のドラフトでしっかり補強しておきたい。

 今季8勝を挙げて大躍進した井上温大の高校の後輩にあたる清水大暉(前橋商/投手/193センチ・92キロ/右投右打)は、スケールの大きい本格派右腕だ。長身から投げ下ろす145キロ前後のストレートもすばらしいが、縦のスライダー、鋭く落ちるフォークも兼備して、外れ1位もある大器だ。

 大学生なら、まだまだ伸びしろ満載の岡本駿(徳島・城南→甲南大/投手/185センチ・82キロ/右投左打)に期待してみるもの手だ。高校時代は大型遊撃手、キャッチボールでの"生きた球質"を見込まれて、大学から投手に転向。しなやかな腕の振りから、140キロ後半の速球は強烈だ。スライダー、フォークとの緩急も身につけるなど、投球センスのよさも光る。

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