【現役引退】ギラギラとチャラチャラ...西武・金子侑司がこだわり続けた「人よりもカッコいいプレーをしたい」 (2ページ目)
シーズン序盤からチームが低迷し、球団が来季以降に向けて若返りを図るのはある意味当然と言える。ベテラン選手は相対的に年俸が高くなる一方、戦力の上積みを果たすには若手を伸ばしていくことが不可欠になるからだ。チーム再建はその先にある。
9月14日に引退会見を開いた岡田雅利もユニフォームを脱ぐ決断の一因についてチーム事情を挙げたが、「まだやれる」というベテランが自ら去ることを決めたのは、低迷するチームの悲哀を感じさせられた。
【ギラギラとチャラチャラを併せ持つヤツ】
「周りがすごく打っているなかで、金子は苦しい思いをしたと思います」
2018年に10年ぶりのリーグ優勝を果たし、連覇を目指した翌年の春季キャンプ前。この年からキャプテンに就任した秋山翔吾(現・広島)が前年を振り返ってそう話した。
打点王の浅村栄斗(現・楽天)、本塁打王の山川穂高(現・ソフトバンク)ら"山賊打線"が猛威を振るった一方、金子は111試合で打率.223に終わった。その姿を最も近くで見ていたひとりが秋山だった。
「みんなが打っている時期に、金子は打てないながらも試合に出ていました。首脳陣が必要だと思うから、試合に出されているわけですよ。でも本人は、苦しさを味わったシーズンだったと思います」
2018年オフ、エースの菊池雄星がマリナーズへ(現・アストロズ)、FA宣言した炭谷銀仁朗が巨人へ(現・西武)、そして浅村が楽天に移籍した。そんなタイミングでキャプテンを任された秋山が、連覇に向けて言及したひとりが金子だった。
「金子は毎年ギラギラしてやっているんですよ。ギラギラとチャラチャラを併せ持つヤツなんです。あいつはいろいろ研究していますよ。去年(2018年)は本当に苦しいところからスタートして、最後、頑張ったところがあったし」
外崎修汰がケガで戦線離脱した2018年終盤、金子は持ち味の俊足を生かして下位打線からチームを勢いづけた。そして翌年、133試合で打率.251、41盗塁。2度目の盗塁王を獲得し、チームの連覇に大きく貢献した。
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