ロッテはCSへ正念場 清水直行が語る新加入のサイ・ヤング賞投手、若手リリーフへの期待 (2ページ目)
――カイケル投手の加入はプラス材料ですが、やはり種市投手の離脱は痛いですね。
清水 そうですね。ベテランの唐川や石川に多くのイニングを投げさせることは難しいと思いますし、そう考えると若いピッチャーが2枚ぐらい出てきてほしいところです。今季、それぞれ3試合に先発した中森俊介と田中晴也にはまたチャンスが来ると思いますが、彼らはもっと投球術を覚えなければいけません。
今は球速や球の強さ、変化量にこだわったり、荒々しく三振を取ろうとする傾向がある印象です。もちろん悪いことではないのですが、先発ピッチャーとしてはシーズンを通してどれぐらいの数字を残せるかが大事だと僕は思いますし、そのためにピッチングを覚えるべき。まずはローテーションの一角を任せられるようになって、そこからチームに頼られる柱になっていくことが理想です。ふたりはまだまだ粗削りですが、ある程度順調に成長してきていますし、いい成長曲線を描いていってほしいですね。
【リリーフ陣で期待の投手は?】
―― 一方で、リリーフ陣の現状はどう見ていますか?
清水 昨季に頑張ってくれていた西村天裕と澤田圭佑がブルペンにいないのは痛いです。坂本光士郎は打ち込まれて大量失点してしまう場面も見られますし、対左バッターの被打率(.355)と防御率(5.87)がセットアッパーとしては厳しいですね。
43登板で防御率0.44の鈴木昭汰をはじめ、国吉佑樹や横山陸人が頑張ってくれています。ベテランの益田直也の存在も助かっている部分はあるのですが、ちょっと一軍と二軍との出入りが激しいなと感じます。やはり3、4人は、シーズンを通して一軍のブルペンにいてほしい。なかでも、期待しているのは菊地吏玖です。
――2022年ドラフト1位の菊地投手は、一軍での登板数が増えていますね。昨季は1試合でしたが、今季はこれまでに14試合に登板(防御率1.69)。奪三振率(9.56)もいいです。
清水 菊地は低めの真っすぐがよくなりました。セットアッパーが一番多く投げるボールは真っすぐだと思いますが、菊地は特に真っすぐの割合が高い(約62%)。もちろん打たれる場面もありますが、思い切ってどんどん投げ込んでいますし、彼はこれから期待できると思いますよ。
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