篠塚和典と元木大介が対談で語った、巨人・阿部慎之助監督の指導者像と野手陣のポジション争い (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――今季は指揮官として、1年目から結果が求められるでしょうか。

篠塚 巨人は"勝たなければいけないチーム"ですが、慎之助はこれから3年ぐらいかけてチームを作り上げていくと思うんです。それぐらい経てば、今いる若い選手たちが確固たるレギュラーとなり、しっかり戦っていけるはず。門脇誠や秋広優人、ルーキーの佐々木俊輔などいい人材が揃い始めていますし、今季は3年後に向けて着々と準備を進めていくシーズンになるのではないでしょうか。

 そのためには、選手が期待に応えて成長していってくれないといけない。期待外れに終わってしまうと、チーム作りが苦しくなってしまいます。吉川尚輝あたりは少し慣れてきた感じですが、まだまだ信頼度は足りません。V9のメンバーが少なくなっていった1979年も、伊東キャンプに参加した僕らがゼロからチームを作っていった時期がありましたが、チーム状況は当時に似ている感じがします。まずは期待されている若い選手たちがある程度いい成績を残し、自信を持って来季を迎えることが大事だと思います。
 
 3年と言いましたが、今年からサードで勝負する坂本勇人が、39歳になる3年後にどうなっているかは読めません。レギュラーとしては難しいとなれば、おそらく岡本和真がサード、秋広がファーストという形になるでしょう。数年後にそうなることを見越したうえで、今年のコンバートがあるような気がしますね。試合に勝ちながら、若い選手にポジションを任せて育てていくことも責任。監督業は大変だと思いますが、若い選手が多いので楽しみも多いですね。

――阿部監督は選手との対話を重視されていますね。

篠塚 選手はコミュニケーションを取りやすいんじゃないかな。

元木 現役で一緒にやっていた選手も何人かいますし、年齢が近いので話しやすいんじゃないですかね。現役時代の慎之助はすごい選手だったので、若い選手は遠慮して話しづらかったかもしれませんが、監督になった今は自分から選手に歩み寄ろうとしています。いろいろな選手とコミュニケーションを取るのは今の時代に合っていますし、"選手に近い監督"はいいと思います。

篠塚 監督と選手という関係になれば、監督から話しかけることが多くなるはず。選手たちは話しやすくなるだろうね。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る