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礒部公一が苦手だった投手5人をランキング。ダルビッシュ有ら大エース、パ・リーグ時代は荒れ球で「ガンガン攻めてきた」投手も (2ページ目)

  • 栗田シメイ●取材・文・撮影 text by Kurita Shimei
  • photo by Sankei Visual

【3位】松坂大輔(西武、レッドソックスなど)

 大輔はごくまれに力んで投げる日と、脱力したフォームから投げる時がありました。力んでくれるとまだなんとかなるんですが、あのゆったりとしたフォームでアウトローにバンバン投げ込んでくる時はお手上げでしたね。

 ルーキーの時はストレートにスライダーと球種も多くなかったんですが、だんだんカーブやカットボール、チェンジアップにツーシームなど球種も増えてきた。当時、近鉄の打撃コーチは正田耕三さんだったんですが、ミーティングでは「27球で終わっていいからストライクゾーンに来たボールを強く振れ」と言われていました。つまり、追い込まれると打てないから、それくらいしか対策が出来ないというわけです。近鉄はかなりミーティングをしっかりして戦略的に打つチームでしたが、そんな指示があった投手は大輔だけでしたね。

【2位】涌井秀章(西武→ロッテ→楽天→中日)

 西武にゆかりがある投手ばかりになって申し訳ないです(笑)。それでも西武時代の涌井は強烈でしたね。投げるボールも強いし、スライダーもよくキレるんですが、何よりもあのフォームです。足が地面についてから投げるまでがかなり長くて、タイミングが異常に取りづらい投手でした。若い頃はスピードもありましたから、バッターは体感速度が実際の急速よりもずいぶん速く感じる。正直、涌井が投げる時は「打てないな」という印象を持ってしまっていました。

 今はベテランになりさすがにスピードは落ちていますが、それでもタイミングが取りづらくて差し込まれるバッターも多い。技巧派と言われる投手の粋に入っていますが、彼の場合はボールを速く見せる技術、バッターのタイミングをズラすということに長けていた。これだけ長く現役を続けて結果を残せるのも、そういった引き出しの多さや技術の高さがあるからだと思います。

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