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「イチローもえげつなかったけど...」。元審判員が驚愕した名外野手ベスト5 (2ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Sankei Visual

超一流のポジショニング

新庄剛志(元阪神、日本ハムなど)

 新庄剛志選手はゴールデングラブ賞を阪神で7度、日本ハムで3度受賞しています。その実績どおり守備の意識は高く、とくにポジショニングに強いこだわりを持っていました。普通の選手は守らないところにいて、バッターと私が被っていたようで、よく「審判さん、邪魔です」と言われました。

 センターからはキャッチャーのサインとバッターのスイングが見える。ピッチャーの勝負球が頭に入っているので、それに応じてポジショニングを考えていました。それを見た時に「頭のいい選手だな」と感じました。

 それに新庄選手は、観客を魅了することを常に考えていました。以前、新庄選手はこんなことを言っていました。

「ただ捕るだけじゃ面白くないでしょ。やっぱプロなんだから、ショー的要素がないと」

 だからフライをキャッチする際、ジャンプして捕球したり、打球へのチャージをわざと遅らせて二塁走者をホームで刺したり......外野守備の醍醐味を存分に見せてくれました。

 思い出すのが、2005年のゴールデングラブ賞の表彰式でのこと。新庄選手は「イメージで選んでほしくない。今年の自分が選ばれるのはおかしい」と語っていました。おそらく周りの評価と自分との評価が大きく離れていたのでしょう。それだけ守備に関しては、相当な自信とプライドがあったのでしょうね。

福留孝介(中日)

 福留選手は、最近よく見かけるトリックプレーをいち早く導入した選手だったと思います。たとえば、ライトを守っていて、その頭上を越える打球をあたかもキャッチするような感じで待っている。実際はフェンス直撃ですが、福留選手の動きに騙されてランナーはいいスタートをきれない。日本ではそういうプレーをする選手はいなかったから、メジャーから輸入して流行らせた先駆けではないかと思います。

 とにかく捕球してからが早く、強肩で、しかもコントロールがいい。全盛期のプレーは本当にスピード感があって、迫力がありました。

 今は代打専門になったとはいえ、45歳でプレーしているのがすごい。体の強さも突出しているのでしょうね。

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