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巨人移籍2年目、今年の中田翔はホンモノか? 名伯楽が分析する昨年との決定的な違い (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Koike Yoshihiro

── 今年はいかがですか?

「今年はつま先が浮くことなく、地面に足をつけて打てています。だからアウトコースの球もしっかり対応できていますね」

── オフの期間に体重を20キロ増やしたという報道もありました。

「昨年なぜ体重が減ったのか詳しい経緯はわかりませんが、体重を減らしてパワーがなくなったら元も子もありません。ケガの原因にならない程度に、体を大きくすることは大事だと思います。それとこれは私の経験則ですが、ぽっちゃり型の打者を『キレを出すため』と痩せさせても大成した例は少ないです」

キヨに似ている

── 内田さんは巨人コーチ時代に猜疑心の塊だった清原和博さんの心を解きほぐし、信頼を得たこともありました。中田との共通点は感じますか?

「うん、キヨに似ていると思います。巨人に来た経緯は違うけど、体型的に似ているし、センターからライト方向を意識することで復活した点も同じです」

── 今季の中田は相当に期待できそうですね。

「コメントを聞いていても、強い覚悟を感じます。もともと勝負強くて、打点王を3回も獲った選手ですから。今まで広い札幌ドームを本拠地にしていたので、本塁打数は東京ドームと比べて年間10本近く損をしていたかもしれない」

── 今季はどのような起用が予想されますか?

「年間通して5、6番あたりに定着できたら楽しみですね。新外国人の(グレゴリー・)ポランコも映像を見る限り、すごく実力を感じます。オープン戦では丸(佳浩)を1番打者で試していましたけど、出塁率の高い丸が1番で使えたら面白い。あとは松原(聖弥)のような足の速い選手が、いかに小技や走塁で打者をアシストできるか。たとえば、ランナーが塁上でバッテリーにプレッシャーをかけて、緩いボールを投げさせないようにする。そうすれば、打者は速球狙いでラクに打てますから」

── 最後に中田にアドバイスを送るとしたら、どんな言葉でしょうか?

「今までどおり、バックスクリーンに放り込む感覚でやってくれれば大丈夫です。フェアゾーンは90度の角度がありますけど、左中間から右中間までの45度に飛ばす感覚で打つとちょうどいいでしょう。首脳陣が中田を『信用』ではなく、『信頼』して1年間使えたら、相当な結果を残すはずです」

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