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片岡篤史は中日の二軍監督になってもYouTubeを続ける。選手のファンや身内に「頑張っていることを伝えたい」 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • 小嶋裕●撮影 photo by Kojima Yutaka

清原、桑田ら先輩たちから得た財産

――ファンにはそれぞれ"推しの選手"がいたりしますが、二軍で努力をしていた頃から選手を追うことで愛着や親心が芽生えたり、選手のストーリー性を感じられるものだと思います。

片岡 そうなんです。YouTubeで二軍の情報を発信することで、ナゴヤ球場(二軍の本拠地の球場)に見に来ていただけることもあるじゃないですか。ファンの方に「この選手を見たい」と思って足を運んでいただいて、そこからその選手が力をつけて一軍で頑張ってくれるのがベストですよね。

 選手にはそれぞれファン、身内もいますし、お世話になった人もいると思うので、そういう人たちに対して「選手はこうやって頑張ってます」と伝えたい。選手全員を取り上げることはできないかもしれませんけどね。さらに、「用具係の人はここまでやってくれているんですよ」といったように、裏方さんにスポットを当てるのも面白いですね。

 ただ、それでチームが弱かったら批判もあるだろうし、「YouTubeしている場合じゃないだろ。選手たちに練習させろ」という意見も出てくると思います。それはもちろん受け止めますよ。ここまでYouTubeを続けてきたなかでも、やはりコメントの1割か2割は批判がある。昔はカチンとすることもありましたけど、批判する方も結局は見てくれているということなので(笑)。そうやって気持ちを切り替えることで、批判も受け止められるようになりました。

――そもそも、なぜ二軍監督を務めながらYouTubeを続けていこうと思われたのですか?大変だと思いますし、何年かあとに再開するといった選択肢もあったかと思います。

片岡 もっと振り返れば、そもそも僕なんかはYouTubeをするようなタイプじゃないですよね(笑)。ただ、僕がYouTubeを始めたことによって、僕に対する見方が変わったという方も多いと思うんです。ましてや、阪神のコーチを辞めてボロカスに言われていた僕が、YouTubeをすることに対して「こいつ、どんなことしようとしてんねん」と思っていたでしょう(笑)。

 でも、清原(和博)さんや桑田(真澄)さんら大先輩の出演に限らず、いろいろな方にYouTubeを通してお話を聞く機会をいただき、経験談を聞かせてもらったことが貴重な財産になりました。誰かが台本を用意するのではなく、ゲストの方をしっかりリスペクトして、真面目な話をするなかで面白い話を聞けたり、逆にうまく話をまわせなかった時は反省したり。初めて聞くお話はすべて新鮮でしたね。YouTubeを始めなければそういう経験はできませんでしたし、僕がどういう人間なのか、多くの方に知ってもらうこともできなかったと思います。

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