ベイスターズ、最下位からの反撃へ。最先端テクノロジーを強化・育成にフル活用 (5ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Jiji Photo

【5年後の黄金時代へ】

 R&Dの成果はすぐに表れるものではなく、2017年から時間をかけて芯を図太くしてきたようなイメージだろう。大輪の花を咲かせるため、DeNAでは着実に優秀な人材を集めてきたという。

 自身もボストン・コンサルティング・グループから転職した壁谷部長は、今後の成長をこう見据えている。

「優秀な人材が加わってくれていますが、もっと魅力ある環境にしなければという課題感もあります。わかりやすく言えば、グーグルやアマゾンに行くような人が球団に入ってくる世界観ですね。メジャーではまさにそれが起こっています。私は単純に面白そうだから来て、同じような人が来てくれていますが、それだけでは持続性がありません。他球団にもそういう人が増えてくればと思います」

 NPBから世界一を目指すには、ベイスターズが伸びるだけでなく、球界全体として市場を大きくすることが必要だ。その意味でDeNAは2012年シーズンから参入して以降、グラウンド内外で多くの新風を吹き込んできた実績があり、可能性を感じさせられる。

 現在地から5年後の黄金時代、そして20年後の野望に向け、どんな道を歩んでいくのか。まずは、最下位からの反撃を見守りたい。

(第5回につづく)

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