2021.09.23

西武のドラフトは徹底して「左腕」狙いか。野手は若手が順調に成長中

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

チーム事情から見るドラフト戦略2021〜西武編

 まず、西武の昨年と今シーズンのここまで(9月22日現在)のチーム成績を見てみたい。

2020年 58勝58敗(勝率.500)/チーム打率.238/本塁打107本/チーム防御率4.28
2021年 44勝55敗18分(勝率.444)/チーム打率.245/本塁打94本/チーム防御率4.05

 シーズン途中ではあるが、数字的には3位だった昨年とそれほど大差はないにもかかわらず、5位に甘んじている。その理由は判然としないが、昨年12勝10敗だった楽天との対戦成績が、今季は4勝12敗と大きく負け越している。苦手チームをつくると、優勝はおろか、Aクラス入りも厳しいという「ペナントレースの定説」に、見事に当てはまった格好だ。

最速150キロを誇る西日本工業大の隅田知一郎最速150キロを誇る西日本工業大の隅田知一郎 この記事に関連する写真を見る  なかでも、前半戦で外崎修汰が左足腓骨を骨折し、リードオフマンに定着しかけていたルーキーの若林楽人も左ヒザ前十字じん帯損傷で戦線離脱。このふたりのアクシデントは間違いなく痛かった。とはいえ、ファームも含めて若手野手は着実に成長しており、来季以降の戦いに大きな期待が持てる。

 昨年のドラフト1位・渡部健人はシーズン当初からファームの4番に据えて「和製大砲」として英才教育。ここまで18本塁打を放ち、一軍の主軸としての道を順調に歩んでいる。

 同じく6位のブランドンも、春は若林とともに一軍のレギュラー争いに加わっていたが、故障により離脱。それでもファームで復帰して10本塁打を放つなど、渡部とともに将来の大砲候補として大きな期待を抱かせている。

 さらに昨年のドラフト組でいえば、3位の山村崇嘉、7位の仲三河優太、育成2位の長谷川信哉がファームのレギュラー格として奮闘。また4年目の綱島龍生、高木渉のコンビも存在感を発揮している。

 その一方で、投手陣はいまだ先行き不安定な状態だ。とくに左腕不足は菊池雄星(マリナーズ)がメジャーに移籍した頃から言われていたことで、昨年のドラフトでも早稲田大の早川隆久(楽天)を指名するも獲り逃がし、2位でNTT東日本の佐々木健を獲得したが、まだチームに貢献できるまでには至っていない。