巨人・秋広優人など長身野手は活躍できるのか。「満塁男」や「デカ」以外は選手生命が短い!? (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

 プロ入り後6年間は1軍での出場が30試合以下だったが、7年目の1991年に123試合に出場して23本塁打を放つと、翌年にはキャリアハイとなる29本塁打をマーク。シーズン途中まで本塁打王争いのトップを快走していたほか、当時のプロ野球タイ記録となる8試合連続長打をマークするなど、持ち前のパワーをいかんなく発揮した。内角の球を詰まりながらも逆方向へ運んだり、低めの球を巧みに拾い上げて引っ張り、ライナーでスタンドへ運ぶなど、広角に長打を打てることも魅力だった。

 外野手としてセンターを守れる守備力もあったが、さらなる活躍が期待された頃、イチローや田口壮らが台頭して外野のレギュラーに定着し、次第に出場機会を失っていった。1998年のオフに移籍したヤクルトでも、外野には真中満、稲葉篤紀、アレックス・ラミレスらが君臨。ケガの影響もあって出番は限られたが、2年連続でふた桁本塁打を記録するなど存在感を発揮。その後、2002年に台湾に渡ったのちに引退した。

 以上の2人以外は、なかなか活躍した長身選手を見つけることが難しい。ロッテに在籍していた神戸拓光(191cm)もそのひとりだ。プロ入り1年目の2007年は1軍出場がなかったが、2軍ではチーム2位となる16本の二塁打を放つなど中距離打者として徐々に存在感を発揮。翌年には1軍でプロ入り初本塁打を放つなど飛躍が期待されたが、わずか23試合の出場にとどまった。

 神戸は主に外野を守っていたが、当時のロッテは岡田幸文や清田育宏、荻野貴司らをはじめ層が厚く、神戸は打撃でアピールしたいところだったが、三振が多く荒さが目立った。一時は左の代打の切り札として一定の存在感を見せたものの、確実性がある福浦和也の存在もあり、満足に出場機会を得られず。1軍での実働年数はわずか5年。大柄な体格ながらタイプとしては中距離打者だったこともあり、確実性が低かったことが選手寿命を短くした。

 2014年、楽天からドラフト7位で指名された伊東亮大(194cm)も、強打の内野手として注目された。プロ入り1年目の2015年シーズン終盤、西武戦で7番・指名打者としてプロ入り初の先発出場を果たすと、第2打席でプロ初安打となる初本塁打を放つというセンセーショナルなデビューを飾った。

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