2021.02.03

ダルビッシュも指摘したセ・パのフィジカル差。巨人の罰走に意味ある?

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Jiji Photo

特集『セ・パの実力格差を多角的に考える』
第2回 トレーニング意識の違い

 プロ野球では2010年代に入ってデータ活用や科学、テクノロジーの浸透が進み、パフォーマンスや勝敗を分ける要素が明らかに変わってきた。

 それが顕著に表れたのが、昨年の日本シリーズだった。ソフトバンクが巨人に2年連続で4連勝。これで2010年以降はパ・リーグがセ・リーグに10勝1敗となり、セ・パの格差があらためて指摘されている。

昨年の日本シリーズでソフトバンクに完敗を喫した巨人昨年の日本シリーズでソフトバンクに完敗を喫した巨人  各メディアでさまざまな点から掘り下げられるなか、昨年12月、注目を集めたのがダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)のツイートだ。

「才能ある選手も多いけど、とにかくフィジカル差は感じます。試合見たら感じると思いますが、フィジカルが一定のレベルを超えると技術では抑えきれなくなります」(原文ママ)

 188cm、96kgの主砲・柳田悠岐が豪快なホームランを突き刺し、ブレイク候補と期待される193cm、95kgの右腕・杉山一樹が最速157kmの速球で圧倒する。昨年の日本シリーズでソフトバンクが巨人に見せつけたのは"規格の違い"だった。

「エビデンスはないですけど、フィジカルが野球のパフォーマンスに及ぼす影響は8割くらいのイメージじゃないですか。フィジカルがないと、話にならない時代になってきています」

 そう語るのは、広島で「Mac's Trainer Room」を運営する高島誠トレーナーだ。高島氏は2001年から2004年までオリックスでトレーナーとして働き、渡米してワシントン・ナショナルズへ。日米で数々のトップ選手を見てきた。

 もともと鍼灸師の高島氏だが、活動の幅を増すきっかけになったのが、2002年に短期留学したアリゾナ・フォールリーグ(シーズンオフに行なわれる教育リーグ)だ。

 のちにメジャーで本塁打、打点の二冠に輝くマーク・テシェイラ(元ニューヨーク・ヤンキース)や、4度のゴールドグラブ賞に選出されるシェーン・ビクトリーノ(元フィラデルフィア・フィリーズ)など有望株が多数いるチームに配属されると、いずれもトレーニングを熱心に行なっていた。彼らの身体は生まれつき大きいわけではなく、高校時代からトレーニングに励んで作り上げたものだった。