2020.12.01

大久保博元と川崎憲次郎で意見の相違。
セ・リーグはDH制を導入すべきか

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Sankei Visual

 今年の日本シリーズでソフトバンクが巨人に圧倒的な力の差を見せつけたこともあり、セ・リーグでもDH(指名打者)制を導入すべきかが議論の的になっている。

 日本シリーズではパ・リーグ勢が8年連続で勝利し、通算成績でも36勝35敗と勝ち越し。交流戦でもパ・リーグが通算1098勝966敗60分と大きく上回っている。

日本シリーズ1、2戦でDH起用された亀井善行だったが結果を残せなかった セ・パの"格差"には様々な要因が考えられるなか、DH制がそのひとつではないか。そう指摘するのが、現役時代に西武、巨人と両リーグでプレーした大久保博元氏だ。

「パ・リーグは『何点取りますか?』という野球をやってきたのに対し、セ・リーグ は『何点に抑えますか?』という野球をやってきたので、どうしてもこじんまりとする。9イニングのうち投手が3回打席に立つと、3イニングは点が入らないという計算でいくことになります」

 1984年ドラフト1位で西武に入団した大型捕手の大久保氏は、1992年途中にトレードで巨人へ移籍した。

 当時、審判部はセ・パ各リーグの管轄で、アンパイアたちは2011年まで一方のリーグでしかジャッジしなかった。そんな時代にリーグを移った大久保氏は、"捕手視点"でセ・パに明らかな判定の違いを感じたという。

「僕がいた頃のパ・リーグは、ストライクゾーンがめちゃくちゃ狭かった。セ・リーグに行った時、『ここをストライクにとってくれるの?』『ここまで広いの?』と思いました。セ・リーグはストライクゾーンが広くてピッチャー有利になるから、ピッチャーのレベルが下がってくるわけです。

 対してパ・リーグにはブリブリ振る打者が揃っているなか、ストライクゾーンが狭い。だからそのゾーンの中で空振りを取ったり、ファウルを打たせたりする投手しか残っていけない。それで徹底してパワーピッチャーをつくっていったんです。その差が今、歴然と表れている」