2020.05.07

八重樫幸雄が獲得を喜んだ右腕。
ハズレ1位でも「藤浪よりよかった」

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi

――続くドラフト2位は、翌13年に新人王を獲得する小川泰弘でした。もしも、「1位・藤浪、2位・石山」となっていたら、2位指名となった小川の獲得はなかったかもしれないですね。

八重樫 小川も僕の担当ではなかったけど、「創価大学からプロ野球に進んだ選手の中で、歴代ナンバーワンの真面目な選手だ」っていうのは聞いていました。監督曰く、「何でも自分でしっかり考えて練習できるタイプだ」って。実際にプロに入って、それが成功の要因となったんだけど、率直に言えば技術的には疑問を感じていたけどね。

――たとえば、どんな疑問ですか?

八重樫 クセが出やすくなるあの独特の投げ方もそうだし、クイックにも難はあったし、「プロでは走られ放題だな」という感じはあったので、修正すべき点は多いと思っていたね。でも、野球への取り組み方、考え方で、小川は成功したんだと思うな。

【ソフトバンク・上林誠知はセンスが飛び抜けていた】

――2012年で他に印象に残っている選手はいますか?

八重樫 青森の(八戸学院)光星高校出身で、ロッテに入った田村龍弘っていますよね。彼は高校時代に見て印象に残っているよ。高校2年までサードだったんだよね、彼は。当時の監督に「田村はプロでやれますかね?」って聞かれたんで、「バッティングは勝負強いけど、体が小さいし、内野手は競争が激しい。でも、キャッチャーなら可能性はあるかも?」って言ったんだよね。

――田村の捕手コンバートには八重樫さんのアドバイスがあったんですか?

八重樫 僕の言葉がきっかけでコンバートされたのかどうかはわからないけど、「今はどの球団もキャッチャー不足だから可能性はある」と言ったね。でも、きっかけがどうであれ、本人が頑張ったんだろうね。高校3年の時に甲子園に行けたのは、田村のリードのおかげだったと思いますよ。