2020.04.22

「自分のスイング=本塁打」。西武・
中村剛也が積み重ねた400号の凄み

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Kyodo News

 前年の2018年、中村は絶不調に陥った。開幕から4月21日までの16試合で打率.145、本塁打ゼロで、左肩の負傷もあって二軍に降格する。「本塁打狙いの打撃スタイルを変えなければ、中村は終わる」という声がチーム内部からも聞こえてきた。

 だが同年6月に一軍昇格した中村は、見事に復活した。その裏にあるのが、打撃スタイルのアップデートだ。以前は左に引っ張る本塁打が多かったが、ライトスタンドに運ぶことも増えていく。加えて打席によってはフルスイングを封印し、コンパクトなスイングで安打を狙うようになった。そうして36歳になった2019年、中村はキャリア最高の打率.286を記録した

 小さい頃から本塁打を打つ練習を重ねてきた中村は、自身の変化について「大人になった」と語る。誰より本塁打にこだわってきた男は、なぜ変わったのだろうか。

「でも、僕の理想は、打てると思った球は全部ホームランにしたい。そういうのもあるんですけど、なかなかうまくいかないので、そんなのはいい。何というのか、無理にホームランを狙わなくなったのはありますよね」

 ホームランを狙う場面は狙う。ヒットが求められる状況では、チームと自身のためにヒットを打ちにいく。現在の中村にとって、ともに"自分のスイング"なのだ。