「オリックス、大丈夫?」上野由岐子の
元相棒が球界初の女性スカウトへ

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro
  • photo by Sportiva

 プロ野球に初めて女性スカウトが誕生した。オリックス・バファローズの乾絵美スカウトだ。乾スカウトは現役時代、女子ソフトボールの選手として活躍し、上野由岐子とバッテリーを組み、アテネ五輪、北京五輪に出場。金メダルを獲得した北京五輪では、上野が肩車をされて歓喜するシーンが印象的だが、彼女を下で支えていたのが乾スカウトだった。

 2009年に現役を引退し、翌年オリックスへ入団。ジュニアチームや野球の普及活動に務めてきたが、今年1月にスカウトに転身。NPB史上初の女性スカウトとなった今、パイオニアとして何を思い、どのようにして"金の卵"を発掘していくのだろうか。

今年1月、NPB初の女性スカウトになったオリックスの乾絵美氏今年1月、NPB初の女性スカウトになったオリックスの乾絵美氏── スカウト職のお話がきた経緯は?

「現在の球団編成部の牧田勝吾副部長から連絡を頂きました。最初はソフトボール教室の依頼かなという軽い感覚で電話に出たら、まさかという話で。正直、『オリックスどうしたの? 大丈夫?』と思ってしまいました(笑)」

── さすがに即答はできなかったのでは?

「最初にソフトボール時代の恩師である宇津木妙子さん、そして宇津木麗華さんに相談しました。ふたりとも『うん、やればいいんじゃない』って案外軽い感じで(笑)。まずは挑戦してみようと。だから、悩むことはそれほどありませんでした」

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