福良GMが語るオリックス低迷の原因と受け継ぎたい「古き良き伝統」 (2ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Koike Yoshihiro

―― 福良さんが受け継いでもらいたいと思っている阪急、オリックスの伝統って、言葉にするとどういうことになるんですか。

「これはもう、考えて野球をする、ということに尽きます。強いチームであるためには大人の集団であることが一番大事やと思うんです。誰かに言われなくても、それぞれが考えながらプレーする。選手同士、お互いが考えていることを理解しながら戦う。考えているからこそ、チームメイトにダメ出しされても受け入れられるんじゃないですかね。そのためにも、キャンプから言われてやるんやなくて、自分で必要なことを考えながら動くことが大事やということです。そこをチームに浸透させられてないのは、監督時代の自分にも反省させなアカンところだとは思うんですけど(苦笑)」

―― 福良さんは選手として1995年にリーグ優勝、1996年には連覇、日本一を勝ち取った経験をお持ちです。あらためて、勝つためにチームに必要なことは何だとお考えですか。

「それはやっぱり一人ひとりが考えることの大事さを理解する、ということなんだと思います。ゲームに入ったら言われる前に動く、選手同士でこうしようと決められる。そういう大人の集団でなければ、勝てるチームにはなりません。そのためにもゲームでの経験値を上げていくことは大事ですし、一軍でも二軍でも、若いうちからゲームに出して、ゲーム慣れをさせようということは意識しています。そうしないと考える習慣はなかなか身につかない。練習では覚えられないことがたくさんあるんですよ。ゲームのなかでしかできないことって、ありますからね」

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