2019.12.05

日本ハム栗山監督が語るオープナー
「勝つ戦術としてやらない手はない」

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Koike Yoshihiro

―― でも、極端なシフトを嫌がるピッチャーもいるんじゃないですか。

「そこは、シフトを敷くときとそうでないときの判断をこっちが間違えないようにするということで理解してもらうしかないんです。逆へ打ってくるケース、あるいは逆に打とうという発想をするバッターの時にも絶対にシフトを敷くんだと言ってるわけではないし、逆にバッターに聞くと、明らかにシフトが気になるって言うんです。ということは、何らかの影響をバッターに与えているわけで、それで打ち方を変えてくれたらこちらとしてはしめたものです。

たとえば外野を4人で守らせるというのは、ホームランじゃなきゃオッケー、ヒットはいいよというケースですから、そこでバッターが手薄になった内野の間を抜くような打ち方をしてくれれば、それがヒットになったとしても、それでいいんです。シフトはメジャーのマネだと批判もされましたけど、形をそのままマネするわけではなくて、その理由に納得できるところがあるならやってみる価値はある。僕はもともとシフトに興味があって、(シフトを変えることで)内野ゴロを確実にアウトにする発想はアリだと思いますからね」

―― オープナーについてはいかがですか。

「オープナーとか、ショートスターターとか、ブルペンデーとか、いろんな言い方があるみたいですけど、要はそのピッチャーの特長をいかに生かしてあげるかというだけの話。このピッチャーは、一回りはピシャッと抑えられるなら、そういう使い方をすればいいという、単純な話なんです」

―― 実際、ファイターズのピッチャーのFIP(防御率はチームの守備能力などにも左右されるため、ピッチャーのみの責任となる奪三振、与四死球、被本塁打、投球回数をもとに、そのピッチャーの能力を測る指標)はパ・リーグでナンバーワンなんですよね。

「だから、ピッチャーの特長は引き出せていたし、それぞれの持ち味も発揮できていたと思うんです。そもそもショートスターターって、たとえばクライマックスシリーズなんかでは普通にやる戦術だし、それはそのほうが勝ちやすいからやるわけでしょ。これまでの経験からも、どうしても勝ちたい時は大エースに託す。でもそうじゃない時はショートスターター、セカンドスターターという発想を自分でもしていた。

 だったら、その単純な発想を143試合、シーズン中にもやりましょうということです。もちろん、それで登板数を増やしすぎてしまったら弊害も生まれるんですけど、そこはある程度、長いイニングを投げられる先発が何人もいて、その間にそういう起用をする試合をつくれば、これは必ず機能するはずなんです」